子どもが魚料理を拒む理由は極めて明確だ。「小骨」「生臭さ」「独特のパサつき」の3大要因である。大人が思う以上に、子どもの舌と口腔感覚は繊細だ。パサついた魚を口に入れた瞬間、水で流し込みたくなる感覚がトラウマとなり、魚全般への苦手意識へと育ってしまう。
ここで主役に躍り出るのが鰆(サワラ)だ。分類上はサバ科の白身魚(正確には赤身に近い白身)であり、脂肪分が適度に含まれているため、下準備さえ間違えなければ驚くほど滑らかな口当たりに仕上がる。伝統的な和食・家庭料理の枠にとらわれず、子どもの好きな洋風や甘辛味にアレンジしやすい点も、現代の食卓における強力な武器となっている。