パビリオンの門をくぐった瞬間、訪れた人々が息を呑むのは、視界を覆い尽くす有機的かつ幾何学的な空間美です。デザインオフィスnendoを率いる万博日本館 佐藤オオキ氏がデザイン総合監修を務めたこの空間は、従来の「最新テクノロジーを並べて誇示する展示館」とは一線を画しています。
核となるのは、日本館 循環型社会テーマを徹底的に空間へと落とし込んだ体験設計です。展示エリアは「循環のプロセス」そのものを巡る構成となっており、私たちが日々生み出す廃棄物や副産物が、微生物や先端バイオテクノロジーの力によって新たな資源へと生まれ変わるドラマが展開されます。
取材陣が特に目を見張った万博日本館の見どころは、生分解性素材やリサイクル素材が刻一刻と表情を変えるインスタレーションです。単なるパネル解説ではなく、光、影、風、そして手触りといった感覚器官を揺さぶる演出によって、「資源が巡り、いのちが繋がる」という壮大な循環の連鎖を直感的に理解できる構造になっています。これこそが、数あるパビリオンの中でも万博日本館の展示内容が傑出した評価を得ている理由です。