昭和58年(1983年)の開館以来、広島の学術・文化拠点として親しまれてきた中区基町の広島市立中央図書館。移転議論の発端となったのは、建物の著しい老朽化とバリアフリー対応の遅れ、そして中央公園エリア全体の再整備構想でした。広島市中央図書館 移転の理由について、市側の公式発表資料や答申では「駅直結という圧倒的な交通利便性の確保」「中心市街地・駅前エリアの回遊性向上」「既存商業床を活用することによる財政負担の軽減」が繰り返し強調されてきました。
しかし、商業ビル「エールエールA館」の高層階(6〜10階の一部)に公立トップ館を移すエールエールA館 移転計画は、決して平坦な道のりではありませんでした。当時の議会答弁やパブリックコメントにおいて、研究者や文筆家、市民団体からは「静寂な読書・調査研究の環境が商業フロアの喧騒で壊される」「平和関連資料や郷土資料など約200万冊規模の収容能力がビルの一角で維持できるのか」といった厳しい反対意見が噴出し、大規模な署名運動に発展した広島市図書館 移転問題の経緯があります。
これに対し市側は、専門家懇談会や市民説明会を重ね、貴重資料の保存・調査研究機能と一般利用者の動線を分離するフロア設計や、閉架図書の外部集約書庫システムの構築を提示しました。広島市中央図書館 移転の経緯と現在を追うと、単なるビルの引っ越しではなく、都心部の知のあり方を「静止的な滞在施設」から「流動的な情報結節点」へと再定義する都市政策の一環として移行手続きが進められています。