寿美花代という存在は、宝塚歌劇団の歴史において特別な意味を持つ。1948年に歌劇団に入団して以来、類まれなるスタイルと気品あふれる演技力で一躍脚光を浴びた。とりわけ星組男役トップスターとしての活躍は目覚ましく、当時の宝塚ファンを熱狂の渦に巻き込んだ。
「マルさん」の愛称で親しまれ、甘いマスクと立ち振る舞いの美しさで男役のひとつの到達点を示したとされる。当時の宝塚歌劇は、終戦直後の混乱期から復興へと向かう日本社会において、人々に夢と希望を与える象徴的な存在だった。彼女が舞台上で放っていた圧倒的なオーラは、80年近くが経過した現在でも宝塚ファンの語り草となっている。