多くの人々が「自らを神ではなく人間であると認めた声明」として記憶しているが、昭和天皇本人が最も重視していたのは冒頭に挿入された明治天皇の「五箇条の御誓文」であったとされる。民主主義は占領軍によって外部から与えられたものではなく、明治維新の精神にすでに存在していたという自負。それこそが、詔書に込められた最大のメッセージだったのだ。
近現代史の研究が進むにつれ、この詔書が持つ二重性が浮き彫りになってきた。西欧的な「神格の否定」というパフォーマンスを提示しつつ、国内に向けては伝統的な天皇像と民主的未来の接合を試みた歴史的布石だったとも読み解ける。