「なぜ365段なのか」——伊香保を訪れた観光客の多くが抱くこの疑問には、大変ロマンティックな背景がある。365という数は「1年365日、湯の恵みが絶えることなく続くように」という願いを込めて設定されたとされており、石段を一段一段上るたびに湯治と無病息災への祈りが重ねられる設計だ。観光協会の案内でも「365段の石段に込められた願い」として広く紹介されている。
石段の最上部近くには「石段源泉」が存在する。かつて石段の間から温泉が自然湧出していた名残を現代に伝えるスポットで、伊香保温泉が誇る「黄金の湯(茶褐色・鉄分豊富)」の源泉がここから供給されている。2026年現在も源泉の湧出量管理・維持が行われており、環境省の許可のもとで組合管理が続く。黄金の湯は鉄・カルシウム・マグネシウムを豊富に含み、空気に触れると酸化して茶褐色になる特性を持つ。一方、石段街の下部エリアにアクセスしやすい「白銀の湯(無色透明・メタケイ酸豊富)」は比較的新しく掘削された源泉で、美肌効果が注目されている。
2026年の石段散策では「石段源泉の見学スポット」が整備され、足湯と源泉見学エリアが一体化されつつある。訪問者からSNSに投稿された実況レポート(X・Instagramの複数アカウントより確認)によれば、「源泉の温かい湯気と茶色い石の色がフォトジェニックで最高」「想像以上に本物感があって感動した」という声が多い。