目撃例が報じられるたび、科学者は「リュウグウノツカイ(Oarfish)の見間違い」あるいは「ダイオウイカの腕の誤認」と説明してきた。確かにリュウグウノツカイは8メートル以上に達し、薄桃色の銀体に赤いたてがみを持つ奇妙な魚だ。
しかし、今回の音響解析で得られた泳動パターンは、既存の魚類の域を遥かに超えている。自律型探査機に接近した謎の巨大体は、水流に逆らって時速15ノット以上で加速し、身体全体を左右に大きくうねらせる高効率な推進力を見せた。これは魚類というよりは、太古の首長竜や爬虫類、あるいは初期の鯨類に近い運動メカニズムであると解剖学の専門家は指摘する。