本作が何年経っても色あせない最大の要因は、主演を務めたアン・ハサウェイと圧倒的な演技力でスクリーンを支配したメリル・ストリープの奇跡的な化学反応にある。ジャーナリストを目指しながらもファッション誌の編集長アシスタントという予想外の職に就くアンドレア役を、アン・ハサウェイは瑞々しく等身大の魅力で演じきった。
対するメリル・ストリープが演じたミランダ・プリーストリーは、冷徹でありながらプロフェッショナリズムの塊として描かれ、単なるヒール役に留まらない深みを与えている。特に有名な「青いセルリアン・セーター」をめぐる独白シーンは、ファッションという産業が個人の無意識にまでどれほど影響を与えているかを冷徹に解剖してみせ、映画史に残る名演として讃えられている。