地球の大きさを語る際、一般に用いられる「約4万キロ」という数値には、測地学上の精緻な裏付けがあります。理科年表や国土地理院が採用するGRS80地球楕円体データによると、赤道周囲の距離は約40,075キロメートルです。これに対し、北極と南極を結ぶ縦のラインである子午線周囲長との違いに注目すると、子午線周囲は約40,008キロメートルにとどまり、両者の間には約67キロメートルの開きが生じています。
この差が生まれる理由は、地球の自転に伴う遠心力です。自転軸を中心とした回転運動により、外側へと引っ張られる力が最大になる赤道付近が外側に押し出されています。その結果、地球の中心から赤道までの赤道半径(約6,378km)は、自転軸に沿った極半径(約6,357km)よりも約21キロメートル長くなっています。地球は真球ではなく、ミカンのように横へわずかに押しつぶされた回転楕円体なのです。
そもそも、なぜ「きりの良い4万キロ」になったのでしょうか。ここに赤道周囲4万キロの真相が隠されています。18世紀末のフランス革命期、世界共通の度量衡を確立する議論の中で「地球の大きさを基準に長さを定めよう」という画期的な決定が下されました。当時、北極点からパリを通り赤道に至る「子午線の弧長」の1,000万分の1を「1メートル」と定義したのです。つまり、北極から赤道までが1,000万メートル(1万キロメートル)、その4倍である地球一周(子午線周囲)がちょうど4万キロメートルになるよう意図して単位が作られました。現代の最新測量技術では微細な誤差が補正されたものの、私たちが日常的に使う「メートル」そのものが、地球一周の長さに根ざしている事実に変わりはありません。