ネット上の掲示板やドライバーの雑談で最も見落とされているのが、追いつかれた車両の義務の存在です。追い越す側のマナーばかりが糾弾されがちですが、法は追い越される側にも重い責任を課しています。
道路交通法第27条によると、最高速度が高い車両や同等の車両に追いつかれた車両は、相手が追い越しを完了するまで「速度を増してはならない」と明記されています。また、車両通行帯のない道路で追いつかれ、道路の中央(または右側)に十分な余地がない場合は、「できる限り道路の左端に寄って進路を譲らなければならない」義務があります。追い越されそうになった瞬間にプライドを傷つけられてアクセルを踏み込む行為は、危険なあおり運転の引き金になるだけでなく、それ自体が明確な道路交通法違反です。
また、運転免許学科試験ひっかけ問題対策としても、この分野は頻出の難所として知られています。代表的なひっかけパターンを検証します。
【問題例】「追い越し禁止の場所では、前方の車を追い抜くことも禁止されている」
【正解】×(誤り)
前述の通り、道路交通法第30条が禁じているのは「追い越し」です。車線を変更せずに同一車線内で前車の横を通過する「追い抜き」は、同条の追越し禁止規制の対象外となります。ただし、「横断歩道や自転車横断帯およびその手前30メートル以内」に関しては、道交法第38条第3項により追い越しだけでなく「他の車両の側方を通過して前方に出てはならない(追い抜きも禁止)」という特別規定が敷かれています。この細部を取り違えて失点する受験生が後を絶ちません。
さらに注視すべきは、道路交通法改正2026年最新情報における走行ルールの厳格化です。2026年には自転車への青切符(反則金制度)の本格適用が開始され、軽車両の左側通行や通行区分への監視の目が格段に厳しくなっています。四輪車側も、路肩寄りを走る自転車を追い抜く・追い越す際の安全間隔の保持義務が厳密に問われるようになっており、曖昧な車線跨ぎ走行は命取りになります。