教則本やWeb講座で広く紹介されている「丸に十字のアタリ」ですが、ここに初心者が陥る大きな落とし穴が存在します。それは人間の頭蓋骨は完全な球体ではないという事実です。
実際の人体頭部は、側頭部(耳の上あたり)が平らに削れた楕円体に近い形状をしています。丸を描いた後に側面を平らにカットする工程を省いてしまうと、正面から見たときにハチが張りすぎたり、斜めを向いた際に耳の位置が異常に飛び出したりする原因になります。
ネット上で流布する「アタリの線をなぞれば誰でも描ける」という言説は半分正しく、半分は誤解です。アタリは「なぞるための線」ではなく、立体的な空間の目印に過ぎません。アタリに頼り切るのではなく、頭部のブロック構造を常に三次元でイメージする訓練が求められます。