近年、昭和・大正・明治はおろか、万葉集や平安文学の世界にまで着想を広げた「古風な名付け(レトロネーム)」が大きな潮流となっています。古典由来の言葉は、時代を超えて受け継がれてきた重厚感と普遍的な美しさを兼ね備えているため、年を重ねても色褪せない強みがあります。
特に人気が集まるのが、漢字一文字で豊かな自然風景や季節の移ろいを表す名付けです。男の子では「柊(しゅう)」「蓮(れん)」「湊(みなと)」のほか、あえて読みを工夫した「弦(ゆずる)」「嶺(れい)」などが個性を際立たせます。
女の子では、「紬(つむぎ)」「栞(しおり)」「葵(あおい)」といった定番から一歩踏み込み、「綾(あや)」「澪(みお)」「遥(はる)」など、水や織物、広大な空を連想させる漢字が愛されています。これらの漢字は画数のバランスが美しく、毛筆で書いた際の見栄えも抜群です。