惨劇が起きた2013年10月8日、時間は刻一刻と迫っていた。被害者と両親は午前中、自ら三鷹警察署を訪れてストーカー被害を訴えた。しかし、加害者の身元確認や電話連絡を試みる過程で、組織間の連携にタイムラグが生じる。警視庁本庁と所轄警察署との間での情報共有、そして危険度の即時判定システムが十分に機能していなかったのだ。
警察官が加害者の携帯電話へ警告の電話をかけていたまさにその時、加害者はすでに被害者の自宅敷地内に潜伏していた。鍵のかかっていない窓から侵入し、クローゼットに身を潜めて機会を窺っていたのである。相談からわずか数時間後、警察の対応が後手に回ったすきを突く形で悲劇は起きた。この惨痛なタイムラグは、のちに警察のストーカー対応マニュアルを根底から書き換える教訓となった。