結論から申し上げますと、出町座のカフェのみ利用は何の気後れもなく歓迎されています。多くのシネコンではチケットもぎりの先に飲食売店が存在しますが、出町座の建築構造は根本から異なります。アーケードからガラス扉を開けると、そこは仕切りのないワンフロア。映画の受付窓口、書店「CAVA BOOKS(サヴァ・ブックス)」、そして「出町座のソコ」のカフェカウンターがシームレスに同居しています。
劇場スタッフや関係者の案内によれば、この空間は最初から「映画を観る人だけの閉ざされた場所」ではなく、「商店街の買い出しついでに立ち寄れる街の待合室」として設計されました。地下と2階にあるスクリーンへ向かう観客だけでなく、近隣の大学に通う学生が文庫本を広げていたり、地元住民がテイクアウトでアイスコーヒーを注文したりする姿が日常の風景として定着しています。
映画を鑑賞する予定が一切ない日であっても、商店街の散策途中にふらりと立ち寄り、カウンターで注文して席に着くスタイルが完全に成立しています。「映画ファン以外はお断り」といった排他的な空気感は微塵もありません。