キャンパスの立地する福岡県北九州市若松区の一角は、通称「学研都市」と呼ばれる特異なゾーンを形成している。この街のユニークさは、単一の大学だけで閉じこもっていない点にある。公立大学法人北九州市立大学をコアとしつつ、同一敷地内には早稲田大学大学院情報生産システム研究科や九州工業大学大学院が軒を連ね、公益財団法人北九州産業学術推進機構(FAIS)が全体をオーガナイズする。
学問の垣根はない。図書館や学食を他大学の院生や留学生と共有する日常は、学生たちに強烈な刺激を与えている。高等教育・学術研究開発の拠点を同一エリアに集約させたこの都市構想は、設立から四半世紀を経て完全に実を結びつつある。企業の研究員が日常的にコワーキングスペースを出入りし、共同プロジェクトの実験が夜遅くまで続く。国内でも極めて稀な産学連携の濃度が、ここにはある。