加害男性が過去の事件を消費して印税を得たり、メディアの追跡から身を隠したりする一方で、被害者遺族の受けた傷は決して癒えることはありません。土師淳君(当時11歳)の父親である土師守さんは、度重なる手記やメディア取材に対し、加害者の身勝手な振る舞いを厳しく糾弾し続けています。
守さんは著書『淳へ―君のいなくなった教室に歌声が響いている』などを通じ、「加害者が社会で自由に発言し、遺族が苦痛に怯え続けなければならない現状の理不尽さ」を訴え、少年法改正や犯罪被害者等基本法の制定・運用の見直しに尽力してきました。また、山下彩花ちゃん(当時10歳)の遺族も、深い悲しみと怒りを抱えたまま、加害者からの真摯な反省の言葉を一度も受け取っていません。
法務省や更生保護機関を介して届けられる加害者からの「手紙」についても、かつて遺族側は受け取りを拒否した経緯があります。そこには反省や懺悔の言葉ではなく、自己弁護と自己陶酔的な文面が連ねられており、読めば読むほど遺族の尊厳を踏みにじる内容だったためです。司法が定めた「更生」と、遺族が求める「真の謝罪」の間には、埋めようのない深い溝が横たわっています。