大ホール「アイリス」に足を踏み入れると、かつてのクラシックコンサートのイメージは覆される。2026年の改修により、壁面全体に超高精細プロジェクションマッピングが投影され、音響システムは空間音響(イマーシブオーディオ)へとアップデートされた。演奏者の息遣いが、まるで耳元で囁かれているかのようにリアルに響く。
「ただ聴くだけの時代は終わりました」と、企画運営に携わる担当者は語る。地元の伝統芸能である「万燈祭(まんどまつり)」をテーマにしたデジタルアート公演では、観客がスマートフォンをかざすと、目の前に光の武者人形が立体的に浮かび上がる仕掛けが施され、SNSで瞬く間に拡散された。伝統の継承にテクノロジーを掛け合わせることで、これまでアプローチできなかった10代〜20代の層を取り込むことに成功している。