現在、弘道会の舵取りを担うのが三代目会長である竹内照明である。六代目体制下で若頭補佐などの要職を歴任してきた竹内会長は、高山若頭の薫陶を最も色濃く受けた後継者と目されている。そのリーダーシップスタイルは、先代譲りの厳格さを保ちつつも、極めて実務的かつ合理主義的であると評される。
「寡黙で隙を見せない」。捜査幹部は竹内会長の人物像をそう表現する。情報漏洩を極度に警戒する弘道会の防諜体制は、竹内体制下でさらに先鋭化した。組員間の連絡手段の暗号化や定例会の簡素化、拠点の分散など、当局の盗聴や内偵捜査を徹底的に無力化する戦術が取られている。
しかし、厳格すぎる統制は若手組員の息苦しさや離反を招く諸刃の剣でもある。かつてのような潤沢な資金源が細るなか、いかに組織の忠誠心を維持し、次世代の幹部候補を育成していくのか。竹内照明率いる弘道会は、組織の持続可能性をかけた極めて困難な舵取りを強いられている。