日本の中国料理界に革命をもたらし、本場四川の麻婆豆腐を家庭にまで浸透させた故・陳建一氏。彼がテレビや厨房で見せた情熱は、いまの若い世代にも形を変えて受け継がれている。かつては専門の料理人しか扱わなかった「郫県豆板醤(ピーシェントウバンジャン)」や「漢源花椒」が、いまでは一般家庭のキッチンに当たり前のように並ぶようになった。
この流れを加速させているのが、ライフスタイル共有アプリ「小紅書(RED)」だ。在日中国人インフルエンサーが発信する本格的なおうち中華レシピが瞬く間に拡散され、動画内で紹介された特定ブランドの中華物産調味料が、翌日には店頭から姿を消すという現象が日常茶飯事となっている。SNSとリアル店舗が直結した熱狂的な購買サイクルが、食の現場をリアルタイムで動かしているのだ。