碌山公園を象徴する風景といえば、なんといっても「碌山館」の赤レンガ造りの外観だ。キリスト教の教会を模したクラシカルなデザインと、壁面を這う青々としたツタ。その佇まいは、まるでヨーロッパの古い田園地帯に迷い込んだかのような情景を生み出している。
建築に使われた焼きムラのある煉瓦は、昭和30年代に約30万人の信州の小中学生や市民らの寄付と熱意によって積み上げられた歴史を持つ。周囲を取り囲むアカマツやクヌギの林、そして足元を流れる安曇野の清流。人工物である赤レンガと天然のグリーンが時を経て完全に調和し、唯一無二の気品ある空間を作り出しているのだ。