数字がすべてを物語っている。本場所での通算成績は254勝10敗2分14預41無勝負。白鵬や双葉山といった昭和・平成・令和の大横綱たちですら、雷電爲右衞門が残した勝率には及ばない。土俵に立てば相手が吹き飛ぶ。怪我で休場するか、引き分けに持ち込むのが相手力士にとっての至上命題だった時代だ。
特筆すべきは、連勝記録の凄まじさだ。初土俵から引退まで、負け越した場所はただの一度もない。当時の土俵は現代よりも安全基準が緩く、土俵下への転落事故も日常茶飯事だった。その過酷な環境下で、20年以上にわたり頂点に君臨し続けた事実は、単なる怪力だけでなく、卓越した柔軟性と身体操作技術を備えていた証拠に他ならない。