事件から数十年が経過し、時代が2026年を迎えた今、暴力による教育は法的にも倫理的にも完全に否定されている。戸塚ヨットスクールのような極端な施設は淘汰され、コンプライアンス意識は極限まで高まった。
しかし、問題の本質は消え去ったのだろうか。形を変えた引きこもり、ネット依存、精神的な孤立といった課題に対し、現代社会は十分な処方箋を提供できているだろうか。力を背景とした強圧的な解決策を排除した一方で、深刻化する若者の孤立に対して実効性のある救済策を見出せていない現実がある。「体罰の否定」の先に、私たちがどのような教育の場を築けたのかは、いまだ大きな問いとして残されている。