ここからは、大学受験や共通テストで毎年必ず出題される超重要補助動詞を個別に取り上げ、本動詞との違いや訳し分けのポイントを解説します。
1. 「給ふ(たまふ)」
古文で最も遭遇頻度の高い動詞です。原則として尊敬の補助動詞(四段活用)で「〜なさる」「お〜になる」と訳します。
【例文】帝、物語を書き給ふ。
【現代語訳】帝が、物語をお書きになる。
直前が動詞連用形「書き」なので補助動詞です。帝(主語)の動作を高めています。
2. 「奉る(たてまつる)」
本動詞では「差し上げる」「(衣服を)お召しになる」「召し上がる」など多彩な意味を持ちますが、補助動詞としては謙譲語で「〜申し上げる」と訳します。
【例文】文を書き奉る。
【現代語訳】(私は高貴な方へ)手紙をお書き申し上げる。
手紙を送る相手(客体)に対する敬意を表し、へりくだった表現になります。
3. 「侍り(はべり)」「候ふ(さぶらふ / そうらふ)」
どちらも丁寧の補助動詞として機能し、「〜ます」「〜です」「〜ございます」と訳します。会話文や手紙文で多用されます。
【例文】かの所にまかり侍らむ。
【現代語訳】あちらの場所へ参りましょう。
本動詞の場合は「お仕えする(謙譲)」「あります・おります(丁寧)」となりますが、連用形に接続していれば機械的に丁寧の補助動詞として訳出します。
4. 「おはす」「おはします」
本動詞では「いらっしゃる」「おいでになる」ですが、補助動詞では尊敬語として「〜ていらっしゃる」「〜なさる」と訳します。「給ふ」よりも高い最高クラスの敬意を含みます。
【例文】御格子参りて、御絵など御覧じおはします。
【現代語訳】格子をお上げして、お絵などをご覧になっていらっしゃる。
5. 「参らす」「聞こゆ」
どちらも補助動詞として使われると謙譲語になり、「〜申し上げる」の意味を添えます。
【例文】案内を乞ひ参らす。
【現代語訳】取次ぎをお願い申し上げる。