森友嵐士の現在と声が出ない絶望からの奇跡|壮絶な闘病と復活劇の全貌

森友嵐士の現在と声が出ない絶望からの奇跡|壮絶な闘病と復活劇の全貌

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森友嵐士の現在を語る上で欠かせないのが、突如として彼を襲った「歌声の喪失」という悪夢のような出来事です。1990年代半ば、T-BOLANは『離したくはない』『Bye For Now』『マリア』などの大ヒット曲を連発し、CD総売上枚数1,700万枚以上を記録するトップバンドへと上り詰めていました。しかし、その栄光の真っただ中であった1994年秋頃から、森友の喉に決定的な異変が生じ始めます。

「音が取れない」「自分の思い通りに声帯が振動しない」という違和感はやがて悪化の一途をたどり、1995年の全国ライブツアーの最中、ついにステージ上で歌声をコントロールすることが完全に不可能となりました。複数の専門医に喉の内視鏡検査を依頼したものの、返ってきた診断結果は「声帯にはポリープも炎症もなく、極めて健康な状態である」という非情な宣告でした。肉体的な異常がないにもかかわらず、本人の意志とは裏腹に声が出ない――この矛盾こそが、後に判明する「心因性発声障害」の恐ろしさでした。

当時の特番インタビューや自著・手記において、森友は「歌えない自分には生きている価値がないのではないかと、夜中にベランダから下を見つめたこともあった」と告白しています。歌うことそのものが自己のアイデンティティであった彼にとって、声を失うことは文字通り存在理由の剥奪を意味していました。1999年、メンバーにこれ以上迷惑をかけられないという強い責任感から、森友自ら解散を切り出し、バンドは活動に終止符を打ちました。そこから、医学的な治療法すら確立されていない出口のない闘病生活が始まったのです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。