現役引退から歳月が流れた2026年現在、湯本健一は母校である日本体育大学レスリング部のコーチ、そして同大学スポーツ文化学部の准教授として、日本レスリング界の中枢で確固たる存在感を示しています。学生たちと同じ目線に立ってスパーリングの汗を流しつつ、技術とメンタルの両面から徹底的な個別指導を行う姿勢は、学内のみならず日本レスリング協会関係者の間でも高く評価されています。
彼が指導者として特に重きを置いているのが、現役時代に培った緻密な試合運びとカウンター戦術の伝承です。男子フリースタイルの日本代表指導陣にも名を連ね、国際大会への選手帯同や戦術分析を担当。近年の国際大会で躍進を続ける軽量級のトップ選手たちに対し、自らが世界の頂で体感した「1点を守り抜く執念」と「相手の重心を崩す職人技」を注入し続けています。
関係者の証言によると、道場での湯本は感情的に怒鳴りつける旧来のスパルタ指導とは一線を画し、タブレット端末を用いた動画分析やバイオメカニクスに基づく論理的なアプローチを実践しているといいます。「なぜその技がかからなかったのか」を選手自身に深く思考させるスタイルは、新世代のレスラーたちから絶大な信頼を集めています。