客観的な数値スペックだけでなく、劇場の真価を測るうえで欠かせないのが、実際に客席に座った観客や舞台に立った演者による一次情報です。現地での聞き取りやコミュニティの反応から浮き彫りになった武蔵野芸能劇場評判を検証します。
本劇場において特に高い評価を獲得しているのが武蔵野芸能劇場落語の公演です。高座との心理的・物理的な距離が極めて近いため、演者の「まくら」の語り口やわずかな表情の機微に観客が即座に反応し、会場全体がドッと笑いに包まれる独特のグルーヴ感が生まれます。SNSや寄席通の口コミでは、「寄席専門の演芸場に匹敵する濃密さ」「マイク越しの音ではなく、噺家の肉声が壁に心地よく反響して心地よい」といった声が多く寄せられています。
他方で、いくつか事前に留意しておくべきリアルな声も存在します。例えば、ロビー空間のコンパクトさです。大劇場のような広大なホワイエやカフェコーナーがあるわけではないため、終演後や開場待ちのタイミングでは通路が混雑しやすい傾向があります。また、建物の築年数に見合った落ち着いた佇まいであるため、最新鋭の豪華なホワイエ空間を期待して訪れるとギャップを感じる可能性がありますが、「純粋に演劇や伝統芸能に没頭できる隠れ家的な箱」として好意的に受け止められています。