ネット上や巷の噂で最も大きな誤解が蔓延しているのが、一人暮らし認知症お金の管理に関する実務です。「子どもなら親の預金を自由におろせる」「認知症になってもキャッシュカードと暗証番号さえあれば困らない」といった認識は、法的・実務的に致命的なトラブルを引き起こします。 銀行は口座名義人の認知機能低下を把握した時点で、資産保護の観点から口座取引を停止(口座凍結)します。窓口での預金引き出しはもちろん、定期預金の解約や不動産の売却も一切できなくなります。施設入所費用を親自身の預金から捻出しようとしても、引き出せない事態に陥るリスクがあるのです。 口座凍結を防ぎ、本人の財産を守る法的手段として国が用意しているのが成年後見制度手続きと費用ですが、ここにも「知られざる落とし穴」が存在します。 成年後見制度には、判断能力が低下する前に契約を結ぶ「任意後見」と、判断能力が失われた後に家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見」があります。多くのケースで利用される法定後見は、申し立てから認可まで約2〜4ヶ月の期間を要します。 さらに決定的な注意点は、親族が後見人に選ばれる割合は2割程度に過ぎず、多くは弁護士や司法書士などの専門職後見人が選定される点です。この場合、本人の財産額に応じて月額2万〜6万円程度の報酬が本人の口座から亡くなるまで継続的に支払われ続けます。一度申し立てを行うと原則として解任や取り下げはできず、「親の資産を家族が自由に動かす制度ではない」という冷酷な現実は事前に強く認識しておく必要があります。
一人暮らしで認知症になったら生活は?在宅限界サインと後悔しない対策
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