2016年、角川映画40周年記念作品として製作されたのが、橋本環奈主演の『セーラー服と機関銃 -卒業-』(前田弘二監督)です。赤川次郎の続編小説を原作とし、当時「1000年に1人の美少女」として脚光を浴びていた橋本環奈を星泉役に抜擢したことで大きな話題を呼びました。
しかし、両作を比較すると、作品が宿す本質的な熱量と作家性には明確な違いが存在します。2016年版は、主演俳優の清潔感ある魅力を前面に押し出した正統派のエンターテインメント作品として丁寧にパッケージングされている一方、街の再開発問題など現代的なテーマを盛り込んだことで、物語の焦点が分散する結果となりました。
対して1981年版は、荒唐無稽な設定の中に「死の匂い」と「生々しいエロティシズム」、そして少女が大人に裏切られながらも自立していく痛烈な痛みが充満していました。観客が1981年版に求めたのは整った美しさではなく、相米演出によって極限まで引き出された薬師丸ひろ子の「魂の揺らぎ」そのものであったことが、現在振り返っても明白です。