北海道をはじめとする北日本において、雪虫の発生時期は例年10月中旬から11月上旬にかけてがピークとなります。「雪虫を見ると1〜2週間後に初雪が降る」という言い伝えは古くから知られていますが、これには明確な気象学的根拠が存在します。
トドノネオオワタムシがトドマツへ向けて一斉に飛び立つのは、「風が弱く、日中の気温が適度に上がった穏やかな晴天の日」です。こうした条件は、移動性高気圧に覆われた後に冬型の気圧配置へと移行する直前、つまり寒波が到来する数日から1週間ほど前のタイミングと見事に合致しています。
飛翔のピークは通常1〜2週間程度で終息へ向かいますが、気温が高い年ほど発生の開始が後ろ倒しになり、11月中旬近くまで断続的に飛び続けるケースも確認されています。木枯らしが吹き荒れ、本格的な降雪が始まると成虫の姿は急速に消えていきます。