通常の砂抜きには最低でも2〜3時間、できれば半日ほどの静置が必要とされる。しかし、仕事帰りの慌ただしい夕食作りでそんな悠長な時間は取れない。そこでクックパッド(Cookpad)の投稿レシピやYouTubeの料理動画を通じて爆発的な広がりを見せたのが、「50度洗い(ヒートショック)」と呼ばれる裏ワザだ。
方法はシンプルを極める。50度前後のお湯(手をつけて数秒で熱いと感じる程度)に貝を浸し、貝殻同士をこすり合わせるように揉み洗いするだけだ。急激な熱刺激を受けたアサリは、身を守るための反射運動として一気に殻を開き、蓄えていた砂や汚れを吐き出す。所要時間はわずか5分から10分程度。
ただし、この手法には注意点もある。温度が45度を下回ると雑菌が繁殖しやすくなり、逆に60度を超えると身に中途半端な熱が入ってタンパク質が凝固してしまう。ヒートショック処理を施したアサリは急速に活力を失うため、処理後は放置せず、直ちにフライパンや鍋へ投入して加熱調理するのが鉄則だ。