このアイスを語る上で避けて通れないのが、「おっぱいアイス たまごアイス 違い」という呼称にまつわる長年の疑問です。子どもの頃、駄菓子屋の店先で照れながら「おっぱいアイス」と注文した記憶がある方も多いはずです。
実態を精査すると、この2つは「同一の形状・コンセプトを持ちながら、製造メーカーと正式名称が異なる」というのが正確な真実です。兵庫県の田口乳業が展開する正式な商品名はあくまで「コロンブスのたまご」であり、商品パッケージにも卵をモチーフにした愛らしいキャラクターが描かれています。
一方で、高知県の老舗アイスメーカーである久保田食品などは、直球で「おっぱいアイス」という名称を長年採用してきました。天然ゴムの伸縮性を利用し、上部の突起を切り取って吸うという構造上、どうしてもその外見が女性の乳房を想起させることから、昭和の子どもたちの間ではメーカーの正式名称に関わらず、すべてのゴム風船アイスが総称として「おっぱいアイス」と呼ばれ定着していったという文化人類学的な経緯があります。
駄菓子屋の冷蔵ショーケースから霜の付いたゴム風船を取り出し、わずか数十円の小遣いを握りしめて店主のおばあちゃんに渡した時代。そこには、現代の洗練されたパッケージアイスにはない、プリミティブな食体験と少しの背徳感が共存していました。