観光情報誌やSNSのタイムラインで「淡路島で最も予約が取りにくいイタリアン」と称されるイタリア食堂カーサヴェッキア。周囲をのどかな田園と山林に囲まれた淡路市久野々の集落にあり、目立つネオン看板もありません。それでもなお、他府県ナンバーの車が連日吸い寄せられる理由は、華美な演出を排した「本物の地方創生ガストロノミー」がそこに成立しているからです。
同店を一躍全国区へと押し上げた契機の一つが、イタリア食堂カーサヴェッキアのミシュランガイド兵庫特別版における「ビブグルマン」選定でした。価格以上の満足度が得られる名店として公式に認められたことで、地元住民に愛されるアットホームなトラットリアから、全国のイタリアンファンが遠征してでも訪れたいデスティネーション・レストランへと昇華しました。
現場を訪れたフードジャーナリストはこう分析します。「都市部の高級リストランテでは決して真似できない、畑と海が目と鼻の先にあるアドバンテージをシェフが一皿ごとに凝縮させている。朝収穫されたばかりのみずみずしい野菜や、近海で揚がった鮮魚を余計な小細工なしで直球勝負させる。その圧倒的な鮮度とコストパフォーマンスの凄みが、口コミを通じて熱狂的なファン層を拡大させ続けているのです」。