堀北真希さんと山本耕史さんの出会いは、2009年に放送されたフジテレビ系ドラマ『アタシんちの男子』での共演に遡ります。当時20歳の堀北さんは多忙を極める国民的女優であり、人一倍強いプロ意識と警戒心を持って現場に臨んでいました。12歳年上ですでに舞台界のトップランナーだった山本耕史さんは、彼女の凛とした佇まいに一瞬で惹かれたと後に公の場で明かしています。しかし、この段階では連絡先を尋ねても事務所の代表番号を渡されるなど、明確な一線を引かれていました。
転機が訪れたのは、2010年のスペシャルドラマ『わが家の歴史』での夫婦役共演を経て、5年後の2015年5月に上演された舞台『嵐が丘』での再会でした。激しい愛憎劇を演じる稽古期間中、山本さんは堀北さんの体調や精神面を気遣い、毎日のように「手紙」を手渡しました。世間では「40通のラブレターによる猛アタック」と面白おかしく報じられましたが、山本耕史さん自身がバラエティ特番のインタビューで振り返ったところによると、その内容は一方的な求愛ではなく、「舞台をより良くするための芝居論や、孤独に闘う座長を支える応援メッセージ」が中心でした。
千秋楽を迎えても連絡先を教えてもらえなかった山本さんは、堀北さんが仕事で京都へ向かうことを聞きつけ、「これに乗っていなければ縁がなかったと諦める」覚悟で新幹線に飛び乗ります。奇跡的に同じ車両の数席離れた場所で堀北さんを発見し、指輪を手渡して「結婚を前提に付き合ってください」と告げました。これに対し、外でのデートを重ねることなく「それなら、結婚しましょう」と応じた堀北さん。一見すると衝動的な「交際0日婚」ですが、その背景には「仕事人としての人間性を6年間かけて見極め、誠実さを確信した上での合理的な決断」という、堀北さんらしい冷徹なまでの洞察眼が存在していました。