旧『ワンダージャパン』を巡るネット情報には、いくつかの誤解が放置されたままになっています。その最たるものが「絶版になっており、古本屋で法外なプレミア価格を払わなければ読めない」という言説です。
確かに、紙の初版・ワンダージャパンバックナンバーは、状態の良いものや初期の限定号(特に1号〜5号、別冊類)を中心に神保町の古書店やフリマアプリで定価の数倍で取引されるケースが散見されます。しかし、情報や写真を楽しみたい一般の読者にとって、プレミア本を買い集める必要はまったくありません。
実は、三才ブックスから刊行された旧『ワンダージャパン』本誌(vol.1〜vol.20)の大部分は、公式にワンダージャパン電子書籍としてデジタル配信されています。Amazon Kindleや主要電子書籍ストアにて手頃な価格で手元に揃えることが可能であり、高解像度のタブレット端末であれば、紙面以上の精細さで緻密な写真を拡大鑑賞できます。
また、もうひとつの盲点は「掲載スポットの現存率」です。創刊から約20年が経過した現在、旧誌面に登場した廃墟の大半は解体・撤去され、珍スポットの創業者たちも高齢化により閉園・代替わりを余儀なくされています。古いバックナンバーを手に現地を訪れても、そこには更地が広がっているケースが珍しくありません。過去の誌面は「今行ける旅先」としてではなく、「二度と戻らない時代の貴重なアーカイブ資料」として向き合うのが正しい鑑賞作法です。