ここで正しく認識しておくべきは、「カプセルホテル」という現代的な呼称が用いられていても、その法的な実態がかつてのコシウォン(考試院)や簡易下宿の延長線上にあるケースが極めて多いという点です。
過去を振り返ると、2018年にソウル市鍾路区で発生した韓国のコシウォン火事の過去事例では、7名が命を落とし、11名が負傷するという痛ましい惨劇となりました。この事故の主因は、建物の老朽化に加え、外気を取り入れる窓のない「無窓階」構造、そして幅1メートルにも満たない入り組んだ迷路のような廊下にありました。今回の火災現場も、雑居ビルの一角を軽量鉄骨や石膏ボードで細かく仕切った構造であり、本質的な危険性は過去の事故と地続きです。
韓国のゲストハウス火災の危険性を巡るネット上の誤解として、「韓国の宿泊施設は全体的に防災意識が低い」という極端な言説が散見されます。しかし、これは明らかな誤認です。近年の大型ホテルや適法に認可された施設は、世界最高水準の厳しい消火設備と耐火基準を満たしています。問題の本質は国全体のレベルではなく、「安さを最優先した過密小規模施設」と「規制の網から漏れがちな転用雑居ビル」にリスクが偏在している点にあります。