社の起源は六世紀初頭に遡る。即位前の男大迹王(後の継体天皇)が越前国の治水事業を手掛けた際、氾濫を繰り返す九頭竜川の守護として水の神を祀ったことが始まりと伝わる。配神として祀られるのは、水を司る高龗神(たかおかみのかみ)と闇龗神(くらおかみのかみ)。山峰の水を司る天の神と、谷底や深淵の暗闇に潜む水の神――相反する二面性を備えた二柱の龍神である。
荒れ狂う水を鎮め、荒野を豊かな美田へと変貌させた古代の土木事業は、当時の人々にとって人智を超えた神業に他ならなかった。国家の屋台骨を支えるための治水祈願は、やがて邪気を根こそぎ押し流し、新たな生命力を吹き込む強力な信仰体系へと昇華していった。この社に漂う峻厳な空気は、生きるか死ぬかの瀬戸際で天地自然と対峙した古代人たちの祈りの厚みそのものである。