「再会の花」を語る上で欠かせないのが、彼岸花とスズランが持つ多面的な意味合いです。不穏な俗説と崇高な美しさが同居するこれらの花には、知られざる真実が隠されています。
秋の彼岸の時期に突如として鮮烈な赤を咲かせる彼岸花(リコリス・曼珠沙華)。「情熱」「独立」のほかに「また会う日を楽しみに」「想うはあなた一人」「諦めの美」という花言葉を持ちます。彼岸花は葉が出ているときには花がなく、花が咲くときには葉がないという独特の生態から、韓国では「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味で「相思華(サンサファ)」とも呼ばれます。お互いに会うことが叶わない切なさと、それでも彼岸の地で再び巡り会うことを祈る姿が重なり、深い哀愁を帯びた「再会の象徴」として定着しました。
対照的に、純白のベルのような花を連ねるスズラン(ミュゲ)は、ヨーロッパで古くから春の訪れを告げる聖なる花とされてきました。その中核にあるメッセージは「再び幸せが訪れる(return of happiness)」です。厳しい冬の寒さを乗り越えた先に必ず春が巡ってくるように、途切れた関係や失われた時間が再び温かい幸福へと戻っていくことを約束してくれます。フランスでは5月1日に愛する人へスズランを贈る風習があり、受け取った人には生涯の幸運と愛の再燃がもたらされると信じられています。