為替レートをめぐっては、インターネット上でいくつかの典型的な誤解や短絡的な言説が散見されます。相場を正しく見極めるためには、これらのバイアスを排することが欠かせません。
誤解1:「円安=日本経済の完全な崩壊」という短絡論
円安には輸入コスト増という明確なデメリットがある反面、海外展開を行う輸出製造業の円建て決算を押し上げ、インバウンド観光消費を活性化させる側面を持っています。為替は常に「二面性」を持つゼロサムゲームであり、国全体の富が一方向にのみ消失しているわけではありません。
誤解2:「米国の利下げが始まれば一気に1ドル120円に戻る」という幻想
米国の利下げが進んだとしても、かつてのようなゼロ金利政策へ急激に回帰するシナリオは現時点で極めて低確率です。日米双方の潜在成長率の格差や構造的な資金フローを考慮すると、金利差が縮小しても130円〜140円台が頑強なサポートラインになるという見方が専門家の間では支配的です。