椿大神社が他の神社と一線を画す最大の理由は、日本神話の「天孫降臨」において瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を先導した猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)を祀る全国の大本宮である点にあります。物事の始まりにおいて最も善い方向へ進路を指し示す「みちびきの祖神」として、古くから地鎮・方除・交通安全・事業繁栄の神徳が称えられてきました。
境内は樹齢数百年を超える杉や檜が鬱蒼と生い茂り、一歩足を踏み入れるだけで張り詰めた神気が漂います。本宮の拝殿に向かって右手に鎮座する別宮「椿岸神社(つばきぎしじんじゃ)」には、猿田彦大神の妻神である天之鈿女命(あめのうずめのみこと)が主祭神として祀られています。
天之鈿女命は、天岩戸開きで神楽を舞って太陽神・天照大御神を誘い出した芸能の祖神であり、夫婦円満や縁結びの神としても絶大な信仰を誇ります。この「本宮(みちびき・事業開拓)」と「別宮(芸能・良縁・調和)」が対になっている構造こそが、男女問わず幅広い層を惹きつけてやまない根本的な要因です。