「平日に削った睡眠時間を休日にまとめて取り戻す」という、いわゆる“寝だめ”。しかし睡眠医学において、睡眠の貯金は不可能であることが科学的に証明されています。
平日に5時間睡眠が続き、土曜日に12時間眠るような生活パターンは、「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」を引き起こします。体内時計のマスタークロックである視交叉上核のリズムが狂い、海外旅行で時差ボケになった状態と同じ生理的ダメージを身体に与えてしまうのです。
過剰な寝だめによって生じる代表的な悪影響は次の通りです。
・日曜日の夜に入眠できず、月曜日の朝に激しい倦怠感が生じる
・体内時計のズレにより、自律神経や内分泌系のバランスが崩れる
・日中の活動量低下により、セロトニン分泌が激減してメンタルが不安定になる
近年では、休日に過度な睡眠を繰り返すことで日常生活に支障をきたす「休日過眠症」の相談も増えています。睡眠負債の返済は、1日のドカ食いならぬ“ドカ眠り”ではなく、日々の睡眠時間を30分〜1時間底上げすることが唯一の根本解決策です。