この現象をローカルな盛り上がりから広域的なうねりへと増幅させたのが、動画配信インフラの劇的な普及だ。かつては深夜の関東ローカルや特定エリアでしか視聴できなかった番組が、今やTVerを通じて全国リアルタイムで共有され、さらにはNetflixをはじめとするグローバル配信によって国境を越えて拡散される。
その結果、特定の皿を味わうことだけを目的に旅のスケジュールを組むフードツーリズムが完全に定着した。観光名所を巡る旅から、地域に根づいた一皿の味を追体験する旅へ。旅人たちは、洗練された高級ホテルのディナーではなく、埃っぽい地方都市の食堂で供されるリアルなご当地グルメにこそ、かけがえのない真正性を見出している。