日本が近代国家としての第一歩を踏み出した19世紀末、初代首相に就いた伊藤博文の功績は極めて大きい。西洋の立憲君主制を貪欲に吸収し、明治憲法の草案作成を主導した手腕は、日本政治史における最大の転換点と言えるだろう。
一方で、太平洋戦争の敗戦を経て行われた日本国憲法制定プロジェクトは、日本の政治構造を根底から塗り替えた。戦前の絶対的権力から、国民主権に基づく議院内閣制への移行である。この歴史的大転換期において、敗戦処理と国家再生の舵を取った吉田茂らの決断は、現代日本史の基盤を決定づけた。明治の帝国憲法編纂から戦後の新憲法誕生に至る過程は、権力のあり方が民意へと開かれていく葛藤の歴史そのものであった。