アクアチムクリームの主成分であるナジフロキサシンは、ニューキノロン系と呼ばれる外用抗菌薬です。細菌のDNA複製に必要な酵素(DNAジャイレースおよびトポイソメラーゼIV)を阻害することで、ニキビの主な原因菌であるアクネ菌(Cutibacterium acnes)や表皮ブドウ球菌の増殖を強力に抑え込みます。
しかし、アクアチムが効果を発揮するニキビの病態には明確な境界線が存在します。
【赤ニキビ・黄ニキビに対する効果】
毛穴の中でアクネ菌が過剰増殖し、免疫反応によって赤く腫れたり膿(うみ)を持ったりした「炎症性皮疹」に対しては極めて高い改善効果を示します。ナジフロキサシンは炎症の元凶である菌を殺菌するため、数日から1〜2週間ほどで赤みや痛みが鎮静化するケースが一般的です。
【白ニキビ・黒ニキビに対する効果の真相】
毛穴に皮脂や古い角質が詰まった初期段階の「白ニキビ(面皰・コメド)」に対して、アクアチムは医学的に効果が期待できません。白ニキビはまだ細菌感染と激しい炎症が起きていない状態であるため、抗菌薬を塗布しても毛穴の詰まりそのものを溶かしたり排出したりする作用はないからです。白ニキビを根本的に治療するには、角化異常を改善するアダパレン(ディフェリン)や過酸化ベンゾイル(ベピオ)などの面皰治療薬を選択する必要があります。