日本の挽肉カルチャーを語る上で、メディアが果たした役割は計り知れない。テレビ東京系の人気ドラマ『孤独のグルメ』では、主人公がカウンター越しに焼き上がる分厚いパティと対峙し、白米とともに豪快に頬張る姿が視聴者の食欲を強烈に刺激した。派手な演出を削ぎ落とし、ただ純粋に肉の旨味と向き合うあの描写こそ、ハンバーグが持つ本質的な魅力を物語っている。
また、『マツコの知らない世界』をはじめとする情報番組では、マニアックな配合やソースの探求が幾度となく特集されてきた。芸能界屈指の食通として知られる寺門ジモン氏のように、牛の血統や仕入れルート、焼き手の腕前まで徹底的にこだわる肉の求道者たちが発信する熱量は、消費者のリテラシーを一気に引き上げた。大衆食でありながら、語るべき物語が尽きない深遠さ。これこそが、人々を惹きつけてやまない理由だ。