1980年代後半から始まったTBSテレビの看板番組『世界・ふしぎ発見!』への出演は、吉村を一躍国民的スターへと押し上げた。親しみやすい笑顔とわかりやすい解説。お茶の間は彼を「冒険心あふれる愉快な名物教授」として歓迎した。
だが、カメラが回っていない場所での生活は熾烈を極めた。テレビ出演のギャラや知名度はすべて次の調査費用へと注ぎ込まれ、個人の懐が潤うことはない。莫大な借金の個人保証人となり、常に資金繰りのプレッシャーに追われる日々。華やかなテレビ画面と、実生活における極限状態の落差。そのストレスを受け止めるべき家庭は、すでに安らぎの場として機能しなくなっていた。
現在、NHKオンデマンドなどで過去の貴重な映像を振り返ると、画面越しの吉村が放つ異様なエネルギーの正体が理解できる。彼は文字通り、私生活のすべてを燃料にしてブラウン管の中で燃え盛っていたのだ。