住宅メーカーの展示場やカタログ写真に魅了され、安易に植樹した人々が直面する最大のギャップ。それは「完全な常緑ではない」という生態的特性にある。冬期に厳しい寒風や氷点下の寒気にさらされると、寒冷地でなくても葉が赤紫色や黒褐色に変色し、かなりの量がハラハラと落葉する。春先の掃除に追われた庭主が「騙された」と感じる典型的なパターンだ。
日々の植栽プランを手掛ける造園業の現場からも、注意喚起の声が上がる。敷地境界のフェンス際やすぐ隣にカーポートがある場所に植えると、秋に熟して落下した果実が床面や愛車を赤く汚してしまうリスクが高い。さらに、根の張りが旺盛で土壌を力強く抱え込むため、一度定着した大木を後から移植・撤去するのは想像以上の重労働となる。
日本園芸協会の指導員も指摘するように、樹勢の強さと耐寒性の限界を正しく理解しないまま植栽プランを立てることこそが、後悔を生み出す最大の要因といえる。