立川に誕生した待望の自作リンク「MAO RINK」。真央さんが情熱のすべてを注ぎ込んだプロジェクトの成功を、誰よりも陰で祝福していたのが他ならぬ父だった。開業イベントなどで表舞台に彼が立ち混じることはなかったが、関係者によれば、完成の報せを耳にした際には深く頷き、感無量の面持ちを見せていたという。
スケートリンクの維持費や海外遠征費、指導料など、フィギュアスケートは年間数千万円規模の資金を必要とする過酷なスポーツだ。母が現場につきっきりで指導の現場を支える一方、その莫大な経済的基盤を整え続けたのは父の奮闘があったからに他ならない。自らの作った氷の上で次世代を育てる娘の姿は、父にとっても長年の報われぬ苦労が結実した瞬間だった。