本展の主要舞台となるのは、東京・上野の東京都美術館だ。近代建築の巨匠・前川國男が手掛けた名建築の重厚な空間に、金箔を惜しみなく撒き散らしたクリムトのキャンバスが並ぶ光景は、それ自体がひとつの芸術体験と言える。展覧会の企画段階から数年をかけて調整が重ねられ、欧州の主要美術館との交渉を経て実現した。
会場では作品の年代順だけでなく、当時のウィーンの社会的背景や都市の空気感を追体験できる体感型の空間設計が施されている。照明設計に至るまで、金箔の反射光が描く陰影を極限まで引き出す特別仕様だ。すでに海外の美術批評家からも「奇跡的な展示環境」と絶賛の声が寄せられている。