グレーやポシェットの鎧さんたち「鎧族」の立ち位置についても、映画を通して新たな考察の視点が生まれた。彼らはポシェットを売ったり、パジャマを提供したりとフレンドリーに接する一方で、世界の根幹に関わるルールや秘密に対しては徹底して口をつぐむ。
彼らは単なる管理職なのか、それとも外部から派遣された観測者なのか。映画の中で鎧さんがふと見せた「哀しみ」を含んだ表情は、彼らが小さき者たちの抗えない運命を知りつつも、あらかじめ決められたシステムに従って職務を全うしているに過ぎないことを予感させる。保護者としての優しさと、統治機構としての冷徹さ。この二面性が、作品の世界観に深い奥行きを与えている。