事故の根本原因として公式報告書が認定したのは、機体後部にある「後部圧力隔壁」の強度不足である。このパーツは、客室内の気圧を維持するための極めて重要な隔壁であり、飛行中には常に大きな前後差圧がかかる仕組みになっていた。
問題の機体(JA8119)は、事故の7年前となる1978年6月、大阪の伊丹空港で着陸時に機体後部を滑走路に接触させる「しりもち事故」を起こしていた。その際、製造元である米ボーイング社から派遣された修理チームが後部圧力隔壁の下半面を交換する修復作業を実施した。だが、ここにとてつもない落とし穴が潜んでいた。
本来、金属板の接合部には強度を保つための補強プレート(スプライス・プレート)を2列のリベットで固定しなければならなかった。しかし作業員は、裁断ミスの生じたプレートを2枚に分割して使用し、あろうことか1列のリベットしか噛み合わない欠陥施工を行ってしまったのだ。外観からは見えない内部での作業ミス。これにより、設計上の強度は大幅に低下し、金属疲労の進行速度が劇的に加速することとなった。